2011年02月28日

チョコボール商標権侵害

<本日の注目記事>
チョコボール商標権侵害

<概要>
「チョコボール」を販売している森永製菓が、アイスクリーム「徳用チョコボール」を販売している名糖産業に商標権を侵害されたとして、販売差し止めや6000万円の賠償などを求めて提訴しました。
名糖産業は全面的に争う姿勢を示しました。
具体的には以下のとおりです。

・森永製菓は1967年から「チョコボール」の名称を使用しています。
・2009年に名糖産業のアイスクリームの存在を知り、使用の中止を求めました。
・名糖産業は先使用権を主張するなどして、要請に応じませんでした。

<意見・解説・感想>
少し前の記事ですが、商標の先使用権という興味深い内容でしたので、取り上げました。

そもそも、商標権を初めとして産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)は、先願主義です。
従って、このケースでは、森永製菓が出願して権利を取得したのですから、仮に名糖産業が、出願前からチョコボールを使用していたとしても
権利侵害になるのが原則的な考えです。

この点は、結構勘違いしやすいところです。

ただ、こうした原則論はありますが、例外があります。それが、ここでいう先使用権です。

ちょっと難しいですが、商標法の条文を出して見ましょう。
商標法第32条の要約です。

「他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果、その商標登録出願の際、現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは、その者は、継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。」

ポイントは、「他人の商標登録出願前」と「需要者の間に広く認識されているとき」です。

つまり、今回のケースでは、名糖産業が「チョコボール」について、森永製菓の出願前に需要者の間に広く認識(「周知」といいます)されているか否か、すなわち先使用権に該当するか否かがポイントと思われます。

ただ、周知の立証はなかなか難しく、この点が今争いになっていると思われます。

なかなか興味深い事例です。
要注目です。

それでは、よい1日をお過ごしください。
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2011年02月16日

コマツ 子会社吸収合併

<本日の注目記事>
コマツ 子会社吸収合併

<概要>
コマツは、フォークリフト等を生産・販売する全額出資子会社のコマツユーテリティを4月1日で吸収合併すると発表しました。
コマツは、コマツNTCとコマツ工機を合併させ、コマツエンジニアリングも本体に取り込むことにしています。

<意見・解説・感想>
今回は、コマツによる吸収合併について取り上げました。

吸収合併は全額出資子会社に対して行われるものです。

さて、今回の合併はホームページを見ますと簡易合併として行われたようです。

通常、合併は、株主に対する影響が大きいので、会社法では株主総会の特別決議を必要としています。
しかし、株主への影響が小さい軽微な合併については、こうした株主総会の特別決議が省略されています。
これを簡易合併といいます。

具体的には、存続会社が合併で対価を消滅会社の株主に交付する場合は、この対価の額が存続会社の純資産額の20%以下であるときは、存続会社(この場合はコマツ)で株主総会の特別決議が不要になります。

また、略式合併というのもあります。
これは、一方の会社が、他方の会社の総株主の議決権の90%以上を支配している場合、子会社(この場合は、コマツユーテリティ)において株主総会の承認決議が不要になる合併です。

仮に株主総会を開催しても、当然承認が得られるからです。

このように、合併では、本来特別決議が必要ですが、簡易合併や略式合併により、親会社と子会社の特別決議が不要になることもあります。

今後は、コマツのように様々な事業再編がみられるかもしれません。
注目です。

それでは、よい1日をお過ごしください。
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2011年02月15日

アース、フマキラー全株、エステーに売却

<本日の注目記事>
アース、フマキラー全株、エステーに売却

<概要>
アース製薬は保有する同業のフマキラー株(10.5%)をエステーに売却すると発表しました。
具体的には以下のとおりです。
・アースは2008年頃からフマキラー株を買い増していましたが、フマキラーとの経営統合が進まない状況でした。
・このように進展がないことから、金融機関を通じてエステーに株の買い取りを打診しました。
・これによりエステーは、保有比率が15.6%から25.6%となりました。
・エステーとフマキラーは商品の共同開発や海外展開等の業務提携を強化する方針です。

<意見・解説・感想>
今回は、株式の売却に関する記事を取り上げました。
フマキラーをめぐるエステーとアース製薬の思惑が感じられ、興味深い事例です。

今回のフマキラーは経営統合に難色を示していたため、戦略的アライアンス(提携)を提案したエステーに軍配が上がった感じです。

アライアンスは、一定の株式を保有することはあれど、経営の支配を目的としていないので、株式を保有される企業は独自性を保てます。
今回も保有比率を25.6%と留めているのは、こうしたこともあるでしょう。

なお、過半数以上を保有すると取締役の選任・解任等経営に大きな影響を及ぼしてきます。

今後ですが、アライアンスでの効果をどこまで高めるかが注目されます。
株式の売却額が14億1000万円ですから、どこまでシナジー効果を発揮し、フマキラー及びエステーの企業価値を高めるかがポイントです。
とても興味深いとところです。

それでは、よい1日をお過ごしください。
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ラベル:株式
posted by haru at 14:32| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月07日

母子家庭の母親、積極採用

<本日の注目記事>
母子家庭の母親、積極採用

<概要>
サトーは、母子家庭の母親を毎年度中途採用します。
具体的には以下のとおりです。
・母子・父子家庭に特化した人材サービス会社のハーモニー・レジスデンスやハローワークと連携
・毎年70人の中途採用のうち、1割を母子家庭の母親にする見通しです。
・営業職で募集し、職種を広げる考え
・今後女性比率を拡大する予定

<意見・解説・感想>
今回は、中途採用に関する記事を取り上げました。
母子家庭の母親の中途採用を積極的に行うという点が特徴的です。

サトーでは、ワークライフバランスに積極的に取り組んでいます。
また、ポジティブアクションを通じて女性の活躍の場を拡大している点も特徴的です。

とても素晴らしい取り組みです。

女性の社員がいかにもてる能力を発揮して職場で活躍することが、経営にプラスの影響を与えることは間違いないところです。
そのためには、女性の置かれている状況に配慮することが大切。

今回は、母子家庭という状況の中で母親を積極的に採用する姿勢は、会社が「ひと」を大切にする姿勢が出ており、女性社員のみならず男性社員にも良い影響を与え、良好な職場環境の形成に寄与すると思います。

ただ、誤解をしてはいけないのが、公正な評価と処遇です。
評価と処遇の面では、決して「女性だから」、「母子家庭だから」という理由です特別扱いしてはなりません。
あくまでも、貢献度を適正に評価し、高い評価の社員には適切な処遇をすることが基本事項です。

しかし、同時に「女性だから」と「母子家庭だから」というのは、全く評価の根拠にはなりません。

今後は、女性社員(母子家庭の方も含めて)に様々なチャンスを与えるとともに、持てる能力を発揮できるような場を創造して、優れたパフォーマンスをあげた方には適切な処遇をします。

男女問わず、生き生きと働ける仕組みづくりが今、企業では求められているところです。


それでは、よい1日をお過ごしください。
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2011年02月03日

東急ハンズ FC店を地方展開

<本日の注目記事>
東急ハンズ FC店を地方展開

<概要>
東急ハンズは、今秋からFC店を全国展開します。
具体的には以下のとおりです。
・静岡市を手始めに、地元の小売りチェーンと組んでFC展開します。
・静岡では、静岡鉄道のグループ会社が運営をてがけます。
・東急ハンズは売上高の一部をロイヤリティーとして受け取ります。

<意見・解説・感想>
東急ハンズのFCに関する記事を取り上げました。
FCといえば、コンビニや居酒屋でよく行われています。
FCの特徴は、以下のとおりです。

本部メリット
・加盟金やロイヤリティ収入が得られる。
・他人資本を活用して全国展開が図れる。

加盟店メリット
・本部のブランドを活用できる。
・本部から仕入れや経営指導を受けられるので、早期に事業ができる。

このように双方メリットがあります。
今回は、東急ハンズ側では全国展開、加盟店側では東急ハンズという強力なブランド活用を図る狙いがあったものと思われます。

さて、このように一見、FCではいいことばかりのように思えますが、FCに関するトラブルも色々あります。
特に加盟店側は、多額の資金と労力を費やしますので、思う様にいかなければ不平不満が生じることも想像がつくところです。

こうしたこともあり、FCに関する法規制があります。

中小小売商業振興法では、フランチャイズ本部はその事業や契約の内容等について、 加盟しようとする者に事前に書面で開示し、説明することを規定しています。加盟金、経営指導等々です。

また、独占禁止法では、欺瞞的顧客誘引(虚偽や誇大な開示による勧誘)や優越的地位の乱用(取引の制限等)について規定しています。

FCについては、本部も加盟店もこうした法規制があることを理解した上で、契約を締結することがあるといえるでしょう。

それでは、よい1日をお過ごしください。
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